地方都市の成功分析その1

自分が思う成功している地方都市の条件の一つに、鉄道駅(特にJR)と繁華街エリアが離れて(あるいは違う論理で)存在している、ということが挙げられる。
試しに金沢と松山を例にして説明しよう。
下記赤点が駅、緑枠が歴史エリア、青枠が行政文化施設エリア、橙枠が繁華街エリアである。

金沢はJRの駅から繁華街まで徒歩10-15分かかる。しかし文化施設群と繁華街、歴史地区がコンパクトにまとまっているため非常に散策しやすい。やはり21世紀美術館が行政施設群と兼六園の間に配されていることは奇跡的な英断であり、繁華街を挟んで歴史(武家屋敷側)と現代(美術館側)が向かい合う構成になっている。

続いて、松山。
松山もJR松山駅から繁華街は徒歩15分はかかる。
私鉄の松山市駅の方が繁華街に近く、松山市駅エリア、北側の行政文化施設エリア、をベースに繁華街レイヤーがまんべんなく掛かっている印象。

このように駅を中心とした町づくりではない都市の市街地が成功しているのは、駅に近いほど地価が上がるというような商業の論理に駆逐されないまま、繁華街を構成できるということに尽きる。

上記に挙げた都市以外にも、同様のことが熊本や広島、長崎でも言及可能である。